ヘッドライトに関する知識
車の前方に取り付けられたヘッドライトのおかげで、悪天候や夜間時でも安全に走行できるようになっています。ヘッドライトは前方を見やすくするだけでなく、他者や歩行車に自車の存在を知らせる役割を持ちます。こちらでは、ヘッドライトについて紹介していきます。
ヘッドライトの照射範囲
ヘッドライトは、遠くを照らすハイビーム(走行用前照灯)と近くを照らすロービーム(すれ違い用前照灯)があります。ハイビームの照射範囲は約100m、ロービームは約40mとなっています。障害物を見つけて車が停止するまでには空走距離と制動距離があり、出すスピードが早いほど停止までに時間を要します。
そのため道路運送車両法では、対向車がいない場合はハイビームを使用することを定めています。夜間のヘッドライトの基本はハイビームで、遠くに障害物がないかを確認することが重要です。
ヘッドライトを活用する場面
ヘッドライトは夜間だけでなく、天候や状況に応じて使用することで事故防止につながります。
早朝や夕暮れ時、悪天候時
事故が起こりやすい時間帯というのがあり、これは一年を通して共通しています。
事故が多発するのは朝7〜8時、夕方17〜18時の通勤や通学時で、早朝や夕方の薄暗さが影響していると考えられています。
事故を防止するためには早めのライト点灯が有効ですので、日没30分前には点灯しましょう。
また、天候が悪い時は日中であっても点灯させましょう。ライト点灯で視界の確保を行い、自車の存在を対向車へ知らせます。
霧の場合、ハイビームだと光が遠くまで届かず視界がかえって遮られてしまうので、ロービームを使用します。
トンネル内
50m先が明瞭に見通せないトンネル内ではライトを点灯する義務があります。
トンネル内は一見明るそうに見えても意外と暗く、スピード感や距離感を把握するのが難しいです。
ライトを点灯させて自車の存在を周囲に知らせ、自車の視界確保を行います。
また、ライト点灯はトンネルに入る前に行ってください。明るい場所から暗い場所に入った場合、目が光に慣れるのに多少時間がかかります。そのため、前方の状況が確認しにくくなりますので、トンネル前で点灯します。
ヘッドライトで気をつけること
夜間のヘッドライトは幻惑と蒸発現象に注意が必要です。夜間時は、対向車のライトを直接見るとまぶしさのあまり一瞬視力を失うことがあります。これを幻惑といいます。目が正常な状態に戻るには3秒以上かかるとされていますので、先行車や対向車がいる場合はロービームにします。また、自分の車と対向車のライトが交錯すると、センターライン付近の横断歩行車が見えなくなる、蒸発現象が起こります。雨の日の夜はさらに見えにくくなりますので夜間は注意が必要です。
ヘッドライトは、明るく広範囲を照らし視野を拡大することができる「HID」がおすすめです。
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